比良山荘 2017年早春


インド旅行記の最終章を始める前に、最近の日本でのことを少し。
( インドの写真の整理に時間が 汗 )

海外旅行中に限らず、普段から食べて寝るだけの生活。
国内での楽しみは、季節のご馳走。

冬の河豚に蟹、春の鯛、鮎、鱧、松茸・・・
この日本の四季を代表する定番食材に、最近加わったのが 「

ここ7〜8年、冬眠の季節になると、熊肉をもとめて毎年通っている店が比良山荘です。

住所は滋賀県の大津市になりますが、私はいつも京都に宿をとってお店に向かいます。
京都市内から大原を抜け、鯖街道を北上するのですが
大原を超えると里山の趣がぐんと深まり、途中、花折峠など風情のある地名が続き(「途中」も地名です)
車窓から目にする民家の屋根の鋭い傾斜は、この土地の雪の多さを思わせます。
(実際、四月でも山肌や路肩に雪が残っていた年がありました)

比良山荘までは友人の車で行くことが多いのですが、
MKタクシーを予約しておけば、京都駅からでもタクシーで7〜8千円程度。
3〜4人で割り勘にすればたいした出費ではありません。

週末や観光シーズンなどで京都市内が混んでいそうなら、地下鉄で国際会館駅へ。
ここからなら渋滞もなく、タクシー料金もさらにお安く、30分程度で比良山荘に着きます。


店の前を流れる豊かな水量の用水は、清流そのもの。
水車が回り、夏には水中で野菜やビールが冷やされています。
茶色の地に店名を白く染め抜いた大きなのれんをくぐると、薪ストーブがあたたかな玄関です。

いつも美人の女将とスタッフの方々が出迎えてくださるのですが
今回は皆さん、アレクサンドル・ド・パリのヘアアクセをつけられていました。
ベージュのカメリア(バラ?)が皆さんお似合いで
やはりきれいな方たちに出迎えられると嬉しいものですね。

テーブルにイス席のお座敷に通されシャンパンで軽く喉を潤していると、さっそく八寸の登場です。

おなじみの鮎のなれ鮨をはじめ、野蒜や蕗の薹や山葵などの山菜、鯉の子の炊きもの、
アマゴなど山の幸が贅沢に盛り込まれています。



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続いてはお造り。土地の食材にこだわり海のものは出さないのでお造りも独特です。
今年は鰻の白焼きと鯉。時には鹿肉が出ることもあります。

清流を引き込んだ池で泥抜きをした鯉は全く土臭さがなく、鱸のような上品な白身です。
鯉はあまり得意ではないのですが、比良山荘の鯉は別品 (笑)

青々とした山葵の葉と辛味大根の若苗が、淡い色のお造りを引き締めます。



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そして、個人的にはこのコースの「影の主役」だと思っている、琵琶湖産の本諸子の塩焼き。
皮の焼き目の香ばしさと身のしっとり感が両立した焼き加減は、いついただいても絶品です。

蓼酢が添えられていますが、私は3本ともそのままで楽しみます。
きちんと効かせた塩がさらなる食欲を呼ぶようで、月鍋への期待は絶好調に。



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そしていよいよメインイベント、月鍋の登場です。
まずは熊肉のお披露目から。毎年一緒に通っているメンバー達は今年の肉の“白さ”に歓声を上げます。

一見、脂身に見える白い部分ですが(まあ、実際に脂身ではあるのですが)、
通常の脂身とは全く異なり、食べた印象はコラーゲン的なプリプリ質感。

鯨ベーコンの白い部分のイメージでしょうか。味わい深くプリプリして、脂っこさはなし。
でもきっと、明日のお肌はプルプルになりそうな(笑)

実際、テーブルで鍋を作ってくださるご主人の肌はハリがあってプルツル。
女性陣でご主人の肌を褒め、熊のおかげだろうと盛り上がるのも毎年のお約束です。

因みに2大プルツル肌の持ち主は、香港で行く燕の巣屋さんのオーナー(笑)
美肌の秘訣は、毎晩食べるスプーン一杯の燕の巣だそうです。



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鍋の吸い地は、すき焼きの割下を薄めたような甘めの醤油風味。

熊肉をしゃぶしゃぶ風にさっとくぐらせて、硬くならないうちに急いでいただきます。
鍋を作ってくれるご主人が「お肉を取ってください」と
食べごろを伝えてくれるので、それに従えばいいだけ。

自動的に美味しいものが出て来る、わんこ熊鍋。なんて至福のシステム!



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熊肉のほかの具材は、季節の野菜(冬なので菊菜、芹、葱、時にクレソンなども)、秋に保存した地のキノコなど。
芹の根が、葉や茎よりも香り高く美味しかった。

葱以外の野菜とキノコは寄せ鍋風に一緒に煮込むのではなく、熊肉とローテーションで入ります。
ちなみに仲間内ではキノコのタイミングを「スーパーキノコタイム」と呼び
キノコ好きは熱心に食べ、肉好きは食休みとしております(笑)



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熊肉が終わったら、続いて猪のターン。
吸い地には味噌が加えられ、熊出汁が効いた甘めの味噌仕立てになります。

猪のお肉もまたタフタのように照り輝く脂身に、高貴な臙脂色の赤身。 まさに牡丹肉。
ティツィアーノの絵のモチーフになりそうな美しさです(おおげさ)。

この猪もまったく獣臭さがなく、あえて例えるならハモンイベリコを生肉に戻したような感じ?
むしろ、ハモンイベリコの方が獣っぽいくらい。



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以前は「熊のみ」か「熊と猪ミックス」でコースが選べたのですが
ここ2年ほどは「猪熊ミックス」のみのようです。

なにぶん自然のものですから、肉の品質と供給量を維持するのも難しいのでしょう。
おかげで猪の美味しさにも気づけたので、私的には“結果オーライ”でしたが。

最後の締めは栃餅とおうどん。この栃餅が、実は月鍋で最も野趣がある具です(笑)
かなりアクが強いので、熊と猪のエキスが煮詰まったお汁にぴったり。

八寸から続くいづれも、山の食材を使いながらも実に洗練された料理なのですが
この栃餅で、鄙の雰囲気に触れた気がする山のお楽しみです。
(ごめんなさい、栃餅の画像を紛失…)

うどんと合わせて、炊きたてご飯がリクエストベースで出されます。
以前はご飯と一緒に鯉コクも出されていました。

鯉のうまみが味噌と一体となった素朴な逸品だったのですが。
あの鯉コク、別の季節には出されているのでしょうか?

鯉に臭みが無いぶん味噌使いも控えめで、よそではなさそうな上品さが素晴らしかった。
最近は歳のせいかうどんの段階でお腹が膨れてしまうのですが、思い出すと食べたくなります。

最後にデザートでコースは終了。

今回は冬というより春先に近い季節に伺ったので、桜餅をアレンジしたスイーツでした。
ちなみに昨年は甘酒のアレンジで、甘酒の元を薄く伸ばしたものを炙ったチップスが印象的でした。

以前は水菓子メインのデザートでしたが、比良山荘はスイーツも進化しています。



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余談ですが、比良山荘の横に神社とお寺があります。
神仏が仲良く共存、日本って素晴らしい (笑)

初めて比良山荘を訪ねた時、ここにお参りしたのですが、
掛けた願が京都市内に戻ったらすぐに叶った思い出があります。
偶然と言われればそれまでですが、以来、比良山荘を訪れると必ずお参りするようにしています。

今は特に願い事も無いので、山の神様にご馳走のお礼を伝え
「また来年もみんなで比良山荘に来られますように」とお願いしています。
この願いも(今の所は)必ず聞き届けてもらえています。

そして比良山荘は、熊肉に負けず松茸も絶品!

今年はもう一度、子持ち鮎と松茸のシーズンに行きたいなあ。
比良山の神様仏様、宜しくお願いします。

皆さんも、季節の食べ歩きに「熊」を加えてみてはいかがでしょうか(笑)
熊のぬいぐるみが街角やホテルの客室、機内にまで溢れかえる全世界的な熊(ベア)ブームの昨今、グリーンピースに目をつけられる前に。



つづく



by nonaetamu | 2017-04-20 09:09 | 日本 | Comments(0)

タイ 2016年 プーケット 「 Keemala 」 食事



タイ プーケット島にオープンした、話題の高級リゾート「 Keemala 」


ホテル一番の売りものである息を飲む絶景、1泊10万円の豪華プール付きヴィラ、本格派ホリスティックスパ、これまで全てのことに駄目出しをしてきました。 なんだか口うるさい小姑のようで気が引けますが、まさしくこうるさい小姑なので・・・ これもひとつのホテル愛 (笑)

今回は、滞在中にいただいたお料理をご紹介します。


リゾート内にレストランは一個所だけ。
朝、昼、晩共に、こちらでいただきます。



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朝食のブッフェテーブルの上に並んでいるのは、基本的なアイテムだけ。



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その他のお料理は、洋食、タイ、中華、スパキュイジーヌと揃った、豊富なメニューからオーダーします。



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ランチのメニューも同様に、豊富で充実しています。



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プーケット名物の蟹のカレー。

マイルドな渡り蟹のカレー。
少し太めのお素麺と一緒にいただきます。



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タイスタイルのオムレツ 「 カイ・ヤッサイ 」。

挽肉と野菜の炒め物を玉子で包んだ料理。
辛さはまったくなく、家庭的なほっとする味です。



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お昼のメニューには、点心もあります。



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グルテンフリー、健康志向のスパゲッティ。
普通のスパゲティよりも、ちょっとぼそぼそした食感。



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ホテルの名物料理は、ピンク色のヒマラヤ岩塩を使った岩盤焼き。
まな板のような形状のヒマラヤ岩塩の塊を熱した焼肉プレートです。

珍しいなと思って注文したのですが、帰りに立ち寄ったバンコクのスーパーに、ヒマラヤ塩板が普通に売っていました (笑)


ディナーでは、インド人シェフによる本格的なインド料理が楽しめます。

「 Keemala 」 は、インドの雑誌にも多く紹介され、インドの富裕層もターゲットにしているようです。
タイを訪れるインド人旅行者、近年激増してますからね。



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ビリヤニも、タイ米より長くて口当たりの軽いインドのバスマティ米を使った本格派。
NBA ( 日本ビリヤニ協会 ) 待機会員、Nonaetamu お墨付きの味 (笑)

NBA 協会理念 「ビリヤニを国民食に!」
- 「 ラーメン、牛丼、ビリヤニ 」で悩む日本のランチシーンを目指して
私は、迷わずビリヤニですが (笑)



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美味しいカレーをいただきながら、ふとチェンマイのチェディのビリヤニのことを思い出しました。 あそこのインド料理も素晴らしかった。 タイでは、思いがけないところで絶品インド料理に出会います。 チェディのお料理は、インド本国を除けば、東京青山のシターラにつづくくらい記憶に残る本格的な味でした。 それにしてもシターラは素晴らしい。 東京飲食店の財産、どうしてミシュランは見落としてるのかしら?


お料理は、全て美味しくいただきました。

ただ ・・・・( またも駄目だし )
レストランの内装が高級リゾートとしてはチープすぎて、食事のテンションが上がりません。

観光地の民芸風ドライブインのような、不思議な渦巻き模様に、ファミレス並みの簡素なベンチシート。
狭いレストランに隙間なく詰まったテーブル、 満員になった店内は騒々しく圧迫感もあって、まるで駅ビル内のレストランのような落ち着かない雰囲気です。 週末のルミネとか阪急三番街みたいな。 高級リゾートに期待する優雅さは、レストランのどこにも見当たりません (笑) 増築している部屋が完成して、ホテルが満室になったらどう対処するのかしら? 



さらにここで最後の駄目出しを (笑)

「 Keemala 」 滞在で最大のストレスになったのは、ホテルスタッフのサービス。 どのスタッフも接客をしようという基本姿勢がゼロ。 まるでゲストが眼中に入っていないかのような傍若無人な態度。 私たち透明人間? 違う意味で超自然体な、まれに見るナチュラルリゾートです。 どのスタッフも自分達のおしゃべりが一番大切で、そこに水を差すような頼みごとをすると露骨に嫌な顔を見せる場面も多々。 

チェックイン時の放置プレー、スタッフ行方不明のスパ、移動用のカートを部屋に呼んだり、部屋からお願い事をした時のハウスキーピングの対応の遅さ、面倒くさそうな態度、予約していた時間に送迎車が来ず飛行機に乗り遅れそうになったり・・・・ 思い出しただけでもこんなに(笑)

レストラン内も、昼休みの学校の教室かと思うほど、スタッフがみなのびのびと遣りたい放題。 他のホテルから移ってきた総料理長が、見るに見かねて自分で注文を取りに厨房からでてくるほど。 リゾート全体を通して、ぶれのない安定したサービススタンダード(笑)

ホテル主催の 「 サンセットカクテル・レセプション 」 が滞在中に催され、イギリス人総支配人と話す機会がありました。 あまりにも気になった従業員教育について聞いてみたら、家庭のようにリラックスしたサービスをゲストに提供したいので、従業員達がのびのびとリラックスして働ける自由な職場環境を心がけているとのこと・・・・ その結果が、動物園並みの超自然体とは。 まさに自由の意味を履き違えています。 諸悪の根源はこんなとこに (笑) 


「 Keemala 」 、現時点では、1泊10万円の価値は、ちょっと見いだせませんでした。
もう暫く寝かせて、価格、運営、評価、全てが落ち着くのを待ったほうがいい物件なのではないかと・・・


Nonaetamu 2016年度、「 もっとも残念なホテルだったで賞 」 受賞ホテルのレポートでした。



おわり



by nonaetamu | 2017-04-05 03:18 | タイ | Comments(9)