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高台寺和久傳



先回の熊鍋(比良山荘での料理名は月鍋)に続き、昨冬の味覚の思い出をもうひとつ。

このところ熊にうつつをぬかしていましたが、冬の味覚の女王といえばやはり松葉蟹。
関西に育ったので、子供の頃は季節になると、城崎や山陰に蟹を食べに行くのが年中行事でした。

親元を離れ出不精になり、すっかりご無沙汰だったのですが、ある雑誌の蟹特集を見て
懐かしさとともに蟹が無性に食べたくなりました。

久しぶりに竹野の竹涛に行ってみようかと食友達数人に声をかけたのですが、皆の都合が合わず遠出は無理となったので、
高台寺和久傳での蟹コースとあいなりました。

個人的に高台寺の和久傳には伺ったことがなかったので、評判の蟹をいただく良い機会となりました。


底冷えの厳しい1月の京都、すっかり日も落ちた時間に高台寺和久傳に到着。

タクシーから玄関までのたった数歩が寒い!

温かく火鉢が焚かれた玄関に通されほっとします。

紅白の椿が、新年のめでたさを残しているかのよう。



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掘りごたつ式のカウンターになった個室に通されると、温かな空気に乗り焼蟹の香りが。
期待に胸が膨らみ、お腹は凹みます。

料理長からの一献をいただいてコースがスタート。
一献のお酒が美味しかったので、同じものを続けてお願いします。

まずは先付に北寄貝、鱈の白子、紅白の大根の酢の物が。



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出汁の利いた土佐酢はゆるいジュレ状になっていて、食材によく絡みます。
貝の旨味と歯応え、白子のクリーミーなコク、そして爽やかな紅白の大根のハーモニー。

口の中がさっぱりしたところで、先付がもう一品。焦らすかのように蟹以外の食材で。
京都の方は本当に「いけず」ですね(笑)



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拍子木切りした和牛に、甘い醤油ダレ(要は焼肉のタレの極上品な感じ)をかけています。
さっぱりさせた口に、和牛の甘い脂が回ります。
牛刺はとても美味しい、けど早く蟹も食べたい。意地汚い心は千々に乱されます(笑)

そしていよいよ、「お蟹さま」が登場です!



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意表を突いた蟹のにぎり寿司。お凌ぎの扱いでしょうか。
口の中で解れた蟹の身が、同じく解れたご飯粒と絶妙に混ざり合います。

続いて椀物。蓋を取ると、皆から喜びと溜め息が同時に漏れます。



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足の身にみそと外子を添えた、なんとも贅沢なお椀。
椀の中はそれぞれの異なる旨味と食感が鬩ぎ合うバトル・ロワイヤル状態です。

向付は、蟹に負けない旨味の河豚で。



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蟹の攻めの旨味とは異なる、抑制の利いた静かな旨味に引き込まれます。
例えるならチャイコフスキーの後に聞くバッハ。もしくはミケランジェロの後に見るフェルメール?

鉢魚として、いよいよメインイベントである焼蟹のターン!
まずは焼く前の蟹とご対面です。



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まずは足の部分から。



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水分が飛ぶことで、濃縮された蟹の風味と旨味に感動。
茹でや蒸しとはまた違う、蟹の美味しさが広がります。
焼き目の香ばしさがまた、良い仕事をしています。



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足の先端部は燗酒に入れて。
ひれ酒ならぬ、足酒? 爪先酒?
日本酒に香ばしさと旨味が移り、ここに塩を入れたら立派なスープになりそうです。

もう一度足と、身が詰まった肩の部分の焼きが。



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お約束通り、皆が静まり返ります。

味噌が入った甲羅も炭で炙り、ビスクのように濃厚なスープとして出されます。
「一口残したら、そこにお酒を入れ温めますよ」と料理長のお誘いがありましたが
あまりに美味しすぎて、その一口が残せません。
人目がなければ、いっそ甲羅を舐めたいくらいです(笑)
こういうとき、西洋料理はパンで拭えていいですね。

止め肴は蛤と独活や人参、百合根などの和え物。



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止め肴と順が入れ替わりますが、ここで強肴の頭芋の煮物が出されました。
おめでたい頭芋に貴重なばちこが添えられ、色や形のコントラストが抽象画のようです。



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きっと蟹の強い旨味を一度酢で洗い流し、出汁とばちこをきちんと味わって欲しいということで
あえて料理の順番を入れ替えたのでしょう。
立派な頭芋も、美味しいお出汁のおかげでするすると完食。
ばちこも良いアクセントで、残っていた日本酒が進みます。

食事は「蟹雑炊」か「玉子綴じ丼」かの希望を聞かれます。
初めての和久傳なので定番の雑炊も捨てがたかったのですが
雑誌などで見た事がない玉子綴じ丼への好奇心が勝りました。



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とろとろの卵に蟹足がごろごろ、美味し過ぎて一膳では足りません!

後髪を引かれながら料理は終了。
柑橘(品種名は失念)のゼリーと



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わらびもちでコースは終了です。



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ここでも柑橘の酸味で舌を洗い、繊細でまったりした品に続けています。


実は高台寺和久傳に伺うにあたり、「焼蟹ばかり出続けると飽きるのでは?」と思っていました。
焼くと美味しい分、蟹自体のクセやアクも強くなりますし。

しかし、他の料理とも組み合わせながら、会席のスタイルに落とし込み
コース仕立てにされた蟹料理の数々に感心させられた次第です。

生あり、茹であり、焼きあり、酒漬けあり。
飽きるどころか「まだまだ食べたい」と思わせるバリエーション。

間人蟹の新鮮さをできるだけ損なうことなく京都まで運びながら
蟹の美味しさだけに頼らすに、料理としての創意工夫も凝らされている。

間違っても安価な食事とは言えませんが、食材の質や設え・居心地だけでなく
料理1品1品とコース全体での完成度までが考え抜かれている。
料亭ならではの洗練されたお料理でした。

高台寺和久傳の素晴らしさに気づかされた、良い体験となりました。

和久傳の上品な蟹料理と、冬の日本海の荒波のなかでいただく竹涛の豪快な蟹三昧。
来年は、ダブルで蟹を堪能できますように 笑



by nonaetamu | 2017-05-07 15:58 | 日本 | Comments(0)

比良山荘 2017年早春


インド旅行記の最終章を始める前に、最近の日本でのことを少し。
( インドの写真の整理に時間が 汗 )

海外旅行中に限らず、普段から食べて寝るだけの生活。
国内での楽しみは、季節のご馳走。

冬の河豚に蟹、春の鯛、鮎、鱧、松茸・・・
この日本の四季を代表する定番食材に、最近加わったのが 「

ここ7〜8年、冬眠の季節になると、熊肉をもとめて毎年通っている店が比良山荘です。

住所は滋賀県の大津市になりますが、私はいつも京都に宿をとってお店に向かいます。
京都市内から大原を抜け、鯖街道を北上するのですが
大原を超えると里山の趣がぐんと深まり、途中、花折峠など風情のある地名が続き(「途中」も地名です)
車窓から目にする民家の屋根の鋭い傾斜は、この土地の雪の多さを思わせます。
(実際、四月でも山肌や路肩に雪が残っていた年がありました)

比良山荘までは友人の車で行くことが多いのですが、
MKタクシーを予約しておけば、京都駅からでもタクシーで7〜8千円程度。
3〜4人で割り勘にすればたいした出費ではありません。

週末や観光シーズンなどで京都市内が混んでいそうなら、地下鉄で国際会館駅へ。
ここからなら渋滞もなく、タクシー料金もさらにお安く、30分程度で比良山荘に着きます。


店の前を流れる豊かな水量の用水は、清流そのもの。
水車が回り、夏には水中で野菜やビールが冷やされています。
茶色の地に店名を白く染め抜いた大きなのれんをくぐると、薪ストーブがあたたかな玄関です。

いつも美人の女将とスタッフの方々が出迎えてくださるのですが
今回は皆さん、アレクサンドル・ド・パリのヘアアクセをつけられていました。
ベージュのカメリア(バラ?)が皆さんお似合いで
やはりきれいな方たちに出迎えられると嬉しいものですね。

テーブルにイス席のお座敷に通されシャンパンで軽く喉を潤していると、さっそく八寸の登場です。

おなじみの鮎のなれ鮨をはじめ、野蒜や蕗の薹や山葵などの山菜、鯉の子の炊きもの、
アマゴなど山の幸が贅沢に盛り込まれています。



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続いてはお造り。土地の食材にこだわり海のものは出さないのでお造りも独特です。
今年は鰻の白焼きと鯉。時には鹿肉が出ることもあります。

清流を引き込んだ池で泥抜きをした鯉は全く土臭さがなく、鱸のような上品な白身です。
鯉はあまり得意ではないのですが、比良山荘の鯉は別品 (笑)

青々とした山葵の葉と辛味大根の若苗が、淡い色のお造りを引き締めます。



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そして、個人的にはこのコースの「影の主役」だと思っている、琵琶湖産の本諸子の塩焼き。
皮の焼き目の香ばしさと身のしっとり感が両立した焼き加減は、いついただいても絶品です。

蓼酢が添えられていますが、私は3本ともそのままで楽しみます。
きちんと効かせた塩がさらなる食欲を呼ぶようで、月鍋への期待は絶好調に。



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そしていよいよメインイベント、月鍋の登場です。
まずは熊肉のお披露目から。毎年一緒に通っているメンバー達は今年の肉の“白さ”に歓声を上げます。

一見、脂身に見える白い部分ですが(まあ、実際に脂身ではあるのですが)、
通常の脂身とは全く異なり、食べた印象はコラーゲン的なプリプリ質感。

鯨ベーコンの白い部分のイメージでしょうか。味わい深くプリプリして、脂っこさはなし。
でもきっと、明日のお肌はプルプルになりそうな(笑)

実際、テーブルで鍋を作ってくださるご主人の肌はハリがあってプルツル。
女性陣でご主人の肌を褒め、熊のおかげだろうと盛り上がるのも毎年のお約束です。

因みに2大プルツル肌の持ち主は、香港で行く燕の巣屋さんのオーナー(笑)
美肌の秘訣は、毎晩食べるスプーン一杯の燕の巣だそうです。



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鍋の吸い地は、すき焼きの割下を薄めたような甘めの醤油風味。

熊肉をしゃぶしゃぶ風にさっとくぐらせて、硬くならないうちに急いでいただきます。
鍋を作ってくれるご主人が「お肉を取ってください」と
食べごろを伝えてくれるので、それに従えばいいだけ。

自動的に美味しいものが出て来る、わんこ熊鍋。なんて至福のシステム!



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熊肉のほかの具材は、季節の野菜(冬なので菊菜、芹、葱、時にクレソンなども)、秋に保存した地のキノコなど。
芹の根が、葉や茎よりも香り高く美味しかった。

葱以外の野菜とキノコは寄せ鍋風に一緒に煮込むのではなく、熊肉とローテーションで入ります。
ちなみに仲間内ではキノコのタイミングを「スーパーキノコタイム」と呼び
キノコ好きは熱心に食べ、肉好きは食休みとしております(笑)



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熊肉が終わったら、続いて猪のターン。
吸い地には味噌が加えられ、熊出汁が効いた甘めの味噌仕立てになります。

猪のお肉もまたタフタのように照り輝く脂身に、高貴な臙脂色の赤身。 まさに牡丹肉。
ティツィアーノの絵のモチーフになりそうな美しさです(おおげさ)。

この猪もまったく獣臭さがなく、あえて例えるならハモンイベリコを生肉に戻したような感じ?
むしろ、ハモンイベリコの方が獣っぽいくらい。



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以前は「熊のみ」か「熊と猪ミックス」でコースが選べたのですが
ここ2年ほどは「猪熊ミックス」のみのようです。

なにぶん自然のものですから、肉の品質と供給量を維持するのも難しいのでしょう。
おかげで猪の美味しさにも気づけたので、私的には“結果オーライ”でしたが。

最後の締めは栃餅とおうどん。この栃餅が、実は月鍋で最も野趣がある具です(笑)
かなりアクが強いので、熊と猪のエキスが煮詰まったお汁にぴったり。

八寸から続くいづれも、山の食材を使いながらも実に洗練された料理なのですが
この栃餅で、鄙の雰囲気に触れた気がする山のお楽しみです。
(ごめんなさい、栃餅の画像を紛失…)

うどんと合わせて、炊きたてご飯がリクエストベースで出されます。
以前はご飯と一緒に鯉コクも出されていました。

鯉のうまみが味噌と一体となった素朴な逸品だったのですが。
あの鯉コク、別の季節には出されているのでしょうか?

鯉に臭みが無いぶん味噌使いも控えめで、よそではなさそうな上品さが素晴らしかった。
最近は歳のせいかうどんの段階でお腹が膨れてしまうのですが、思い出すと食べたくなります。

最後にデザートでコースは終了。

今回は冬というより春先に近い季節に伺ったので、桜餅をアレンジしたスイーツでした。
ちなみに昨年は甘酒のアレンジで、甘酒の元を薄く伸ばしたものを炙ったチップスが印象的でした。

以前は水菓子メインのデザートでしたが、比良山荘はスイーツも進化しています。



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余談ですが、比良山荘の横に神社とお寺があります。
神仏が仲良く共存、日本って素晴らしい (笑)

初めて比良山荘を訪ねた時、ここにお参りしたのですが、
掛けた願が京都市内に戻ったらすぐに叶った思い出があります。
偶然と言われればそれまでですが、以来、比良山荘を訪れると必ずお参りするようにしています。

今は特に願い事も無いので、山の神様にご馳走のお礼を伝え
「また来年もみんなで比良山荘に来られますように」とお願いしています。
この願いも(今の所は)必ず聞き届けてもらえています。

そして比良山荘は、熊肉に負けず松茸も絶品!

今年はもう一度、子持ち鮎と松茸のシーズンに行きたいなあ。
比良山の神様仏様、宜しくお願いします。

皆さんも、季節の食べ歩きに「熊」を加えてみてはいかがでしょうか(笑)
熊のぬいぐるみが街角やホテルの客室、機内にまで溢れかえる全世界的な熊(ベア)ブームの昨今、グリーンピースに目をつけられる前に。



つづく



by nonaetamu | 2017-04-20 09:09 | 日本 | Comments(0)

アマネム その2



すっかり間が空いてしまいましたが、アマネムのレポートの続きです。
今回はレストラン(朝食)、ヴィラ、スパをメインに雑感を。

温泉で暖まり、ぐっすりと休んだ翌朝、朝食を取りにレストランへ。
ホテル内にレストランは1軒なので、朝昼晩すべての食事をここでいただきます。

朝食メニューは和洋のコースとアラカルトで、洋食コースはコンチネンタルとアメリカンが、
和食コースはお膳と箱仕立てがあり、和膳はコンチネンタル、和箱がアメリカンに相当します。

くいしんぼうの私はもちろん、お料理が沢山入った和箱をオーダー。
前の晩に予約をすれば、その時間に土鍋ご飯が炊きあがるように用意してくれます。



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右側のおかずが入った白木の箱の、蓋がお膳になり(左側)ご飯や味噌汁が置かれます。
このほかに土鍋ご飯、おぼろ昆布を載せた湯豆腐、焼き物の別皿がつく豪華な朝食です。



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こちらが別皿の焼き物。ちなみに3名分の量ですので誤解なきよう。

味、演出、メニュー構成共に、朝食の清々しさを踏まえた範囲で豪華、
かつエンターテインされたもので大変に満足しました。

実は、前の晩もこちらのレストランでいただいていたのですが
(諸事情あって料理写真は撮れませんでした)
味は美味しかったのに、どこか何だか料理がつまらなかったのです。
上手く言えないのですが、感激がないと言うか。悪い意味でホテルの料理。

ホテルの料理というものは、えてして
誰が食べても美味しいように作るのは分かっています。
街のガストロノミー・レストランのように、美食だけを追求すればよいのではない。
子供もお年寄りも、体調が優れないゲストにも、接待の会食でも、
あらゆる人とオケージョンに合う、最大公約数的な料理にならざるをえないのは。

それでも、例えばクリヨン時代のドミニク・ブシェの料理は素晴らしかった。
食材や調理法に奇を衒っていない、オーソドックスなローストチキンですら
口にすると閃きが感じられたのです。
「必ずしも食を目的に来ていない客」にも感激を与える料理。
これって、なにげに凄いことではないですか?

私が訪れた頃は、まだオープンしたてでキッチンも本調子ではなかったでしょうし
料理長はコンラッド東京の和食出身と聞きましたので、
この時点では、洋食のメニューは不慣れだったかもしれません。
でも食材に恵まれた志摩のアマンなら、閃きのあるホテル料理を出せるのではないか。
少なくとも朝食はかなり良い線を行ってますから、今後に期待ということで。

朝食でお腹いっぱいになったところで、同行者が泊まっているヴィラの見学に行きました。
ヴィラは敷地の奥、高くなった部分に4棟続きであります。
1棟が2ベッドルームスイート1室の造りなのですが、そこはやはりアマン。
スタンダードな客室の約4倍という価格差だけのことはありました。

日本家屋風の建物も、靴を脱いで上がる玄関も自分の部屋と同じですが、居室へのアプローチが少し長い。
薄暗い廊下の片側は、細長いスワーキングスペースになっていました。
その先の数段の階段を上がると、そこは明るく広々としたリビングで、外には英虞湾の景色が広がっています。
このドラマティックな演出は、なかなか心憎いものがありました。

広いリビングは何畳か見当がつきませんが、3 on 3のコートは作れる感じです。
8人掛けの応接セットと6人用のダイニングテーブルの中央は
テラスへの通路スペースがしっかりと取られています。



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テラスの反対側の壁は引き戸に隠されたキッチンで、洗濯機まで完備しています。



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ドアを全部開け、リビングとテラスを一体化させるとさらに爽快です。
リビングには望遠鏡があり(写真左奥)ます。沖を行くフェリーを見てもよし、夜は星を見てもよし。



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2つのベッドルームはリビングの両脇に1室ずつ振り分けられています。
バスルームを含む部屋の造りは、スタンダードの客室と同じです。
唯一の違いは、バスルームへ入る動線だけ。

ただ、リビング&テラスは広くて快適だし、キッチンもフル装備ですが
正直、スタンダード客室の4倍の値段はどうだろう…と思っていた矢先
部屋の主が玄関の方へ誘います。
そういえばワーキングスペースの向かい側にもドアがありました。
他人様の部屋なので遠慮して開けたりしなかったのですが、実はここが凄かった!



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ちょっとした旅館の小浴場程度の広さがある温泉風呂だったのです。



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もちろんバスタオルはアマン掛。
大きな湯船はお湯を張るのに2時間かかったそうです。

このお風呂を見て(繰り返しますが、各ベッドルームには個人のバスルームがあります)、
はじめて4倍の値段に納得しました。
う〜ん、これなら4倍価格でも泊まってみたいかも。
ただこのお風呂は、ベッドルームのお風呂と違い眺めはありません。

ヴィラのすごさに感動した後、今度はスパを訪問。
スパはレストラン棟を下った奥にあり、ヴィラからだとちょうど敷地の反対側。
距離的に歩けなくはないのですが、途中のアップダウンが激しいのでカートを利用しました。

スパ棟も、見た目は日本家屋。中庭を囲うように建物が広がります。
レセプションを抜けて右手側はジムやヨガスタジオなど。
左手に通路を進むと男女の更衣室、さらにその奥(中庭の向こう側)が
スパのトリートメントルームになります。
ワツの専用プールも完備し、かなり本格的でした。

そして中庭の部分は水着で入る温泉プールになっています。



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周囲にはデッキチェアやガゼボがあり、のんびり過ごせます。
(写真は他のゲストがいない夕方に撮ったものです)



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真ん中に水場があるのは、軽井沢の星のやのようですが
こちらは温泉で浸かれるのが違いでしょうか。あと、客室群の中央ではないですね。

スパの庭の端に、離れスタイルの貸し切り露天風呂があります。
値段を聞いたら(忘れてしまいましたが)結構なお値段で
「部屋風呂も温泉だし、どうなんだろう?」と思ってしまいました。
そんなしみったれた客は、アマンジャンキーにはなれませんね。

このあと、ランチを兼ねたエクスカーションとして海女小屋を訪れました。
途中、スペイン村などを通り抜け、アマネムから小1時間ほどのドライブで到着。
アオサの養殖棚が続く、のんびりとした景色が広がります。



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採れたての貝や伊勢エビ、魚などを炭火で焼いてくれます。
サザエや大アサリなど、立派でした。



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シーフードがお好きでしたらなおのこと、そうでなくても
海女のおばちゃんたちの話は愉快で暢気だけど、
やはり命がけの仕事の重みもあり、一聞に値するお話で感慨深いものがありました。
女性の客には海女さんのコスプレもさせてくれますよ。

以上、あまり写真がなく申し訳なかったですが、アマネム滞在記です。
かかりはちょっとした海外旅行と同じですが、予想以上に楽しめる滞在でした。
シンメトリー好きは相変わらずでしたし、外人解釈の単純なZEN、薄っぺらいジャポニズムなど
思うところは幾つかありましたが、三井不動産が手掛けるだけあり
建物や家具、細かな仕上げなどにはチープさや粗さはなく、
この辺がある意味で、いちばん日本的だったのかもしれません。

一部、スタッフの気持ちは伝わるのですが、運営にやや不慣れな部分があったので
こんどはオペレーションがこなれた頃にもう一度行きたいです。



by nonaetamu | 2016-08-22 07:28 | 日本 | Comments(2)

アマネム



ラオスとバンコクのレポートに時間をかけてしまい、すっかり間が空いてしまいましたが、
3月にオープン早々のアマネムを訪れました。
本日は2回のバンコク旅行報告の合間、箸休め(?)にその時のことを少々。


私は、王道派アマン・ジャンキーの対局を行く、少数派 「 アンチ・アマン 」
若いころはアマンのマーケティング戦略に乗せられて、アマンの追っかけをしていたこともあるのですが
( アマンキラでは、初めての日本人客 )
息が詰まるほどのシンメトリシティーとか、あざといマーケティングとか、安普請な   etc..... に飽きてしまい
20年以上足が遠のいていました。 ( 元アマン、ニューデリーの Lodhi を除いて )
でも日本で初めて誕生したリゾートスタイルのアマンがどんなものか試してみたくなり、お伊勢参りのついでに宿泊することに。


名古屋駅から近鉄で約2時間、到着した賢島の駅はサミットの準備で工事の真っ最中でした。
お迎えのレクサスに乗り込み30分ほどのドライブでアマネムに到着。
アマネムは複合リゾート 「 合歓の郷 」 の、奥まった海側のエリアに位置しています。
ゲートから敷地に入り、まずはパヴィリオンと呼ばれるレセプション棟に通されます。

お抹茶をいただきながらチェックイン。



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この変形ヴォールトのような天井と竹細工は、
ホテル内のさまざまな場所で繰り返し用いられています。


パヴィリオンから客室まではカートでの移動になります。
敷地にアップダウンはありますが、荷物がなければ歩ける距離なので
滞在中は散歩がてら徒歩での移動もよくしました。
台数が少ないのか、オープン早々で車の采配に不慣れなのかはわかりませんが、
カートを待つことも多かったので…( イラチなもので  汗 )。

客室に行く途中、レストランやライブラリーがある棟に案内されました。
石庭風の中庭を囲むようにレストラン



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バーラウンジ



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ライブラリー ( 日本文化や伊勢神宮などに関する書籍が充実 )



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インフィニティプール ( バーの外側 )



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半地下式の屋外ラウンジ ( 日暮れの雰囲気は最高でしたが、海辺なので風が強いことも )



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など、スパ以外のファシリティはすべて、この棟に集約されています。

さて、ゲストルームに到着です。
客室は、2室で1棟の 「 スイート 」 と、
( 名前は「スイート」ですが実際は大きな1室で、感覚的には広いジュニアスイート )
1棟を丸々使用する2ベッドルームスイート 「 ヴィラ 」 の2種類だけです。
あとは、棟の立地により 「 森 」 「 空 」 「 凪 」 と区別されていますが、
これは庭の広さと海の見え方の違いだけで、客室の造りは上記の2種類のみです。

客室のある建物は屋根が大きい平屋の日本建築風で、
どことなく沖縄の民家のような印象を受けました。高知に行ったときにも感じたのですが、
やはり台風が多く来る土地は屋根を大きく重く作るのでしょうか?
よくよく考えればここも、伊勢湾台風など台風禍が多い土地ですし ( 赤い運命 とか… )

ドアを開けると玄関。室内へは靴を脱いで上がる日本式になっています。
客室は白木風の明るい色の木材で統一され、高い天井と相まって
日本風であるような、海外リゾートでもあるような。
ちなみに大きな屋根は、この天井高のためだったようです。



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玄関を上がり、室内に入るとすぐにテーブルとベンチシートがある小リビング、
ベッドスペース、ソファやワーキングデスクがある窓際リビング、
その続きに広いテラスと庭、と一繋がりの大きな空間になっています。

奥のリビングスペース横には、この客室とほぼ同じ広さのバスルームへの入り口が。
窓際のバスタブにはお湯と水のほかに温泉の蛇口があり、内風呂で温泉が楽しめます。
テラスとの境の窓を開け放てば、半露天気分も味わえます。



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温泉は水色が少し黄色いようで、ほんのりと温泉の匂いが漂います。
バスタブの奥にはシャワーブースがあります。

洗面はダブルシンクですが、香港のマンダリンと同じ対面式で、両面鏡で仕切られています。



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正直、シンクがどう並ぼうと使い勝手には影響ないのですが、
好きなホテルと同じだと思うとアガリます。

シンクの脇にはトイレ、奥には広いウォークイン・クローゼットが。
その横に玄関に出られるドアがあり、ラゲッジは居住スペースを通さずにこのドアから直接出し入れされます。



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バスローブはカシウェアを厚手にしっかりしたようなフワフワ感。
まだ肌寒い3月にはナイスでしたが、今の季節にはどうなっているのでしょうか。
個人的には、カシウェア的なバスローブを置くときは、
汗をひかせるための吸水性があるローブも欲しいとおもうのですが…。

思ったより長くなってしまったので、レストランやスパ、
エクスカーションなどについては次回に。


つづく


by nonaetamu | 2016-08-07 17:20 | 日本 | Comments(0)