エジプト旅行記 2016年 エジプト ナイルクルーズ 「 イシス神殿 」



ナイルクルーズ2日目、今日の観光はイシス神殿とアスワンダム。
涼しい午前中に見学が終わるよう、8時に船を出発します。 

早起きをして、まずは朝ご飯。
メニューは、洋食とアラブ風からのチョイス。

アラブ風の朝食は、ピタパンと、ひよこ豆のコロッケ 「 ファラフェル 」 と、ひよこ豆のディップ。



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「 ファラフェル 」 は、日本のコロッケのような食べ物で、中近東でとてもポピュラーなのですが、日本のコロッケと同様、美味しいものとそうでないものとの味の差が甚だ大きい。 美味しくないものは油っぽくて中がガチガチ。 オベロイの 「 ファラフェル 」 は、揚げたてホクホクで、さすがの出来ばえです。


洋食は、玉子料理、パンケーキ、ワッフル、クレープ等、好みのメニューを注文できます。 メニューにないスモークサーモンのエッグベネディクトをリクエストしたのに、かしこまりましたと余裕の神対応。 たった2人だけのクルーズに、どれだけ食材を用意しているのか? 今回のクルーズで利益があるの?と他人事ながら思わず心配になってしまいます (笑) 



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クルーズ船の名前でもある 「 フィラエ 」 とは、ナイル川に浮かぶ小島に由来します。

フィラエ島は 「 ナイルの宝石 」 と呼ばれた緑豊かな美しい島。 豊穣の女神 「 イシス 」 が、エジプト王ファラオの象徴でもある天空と太陽の神 「 ホルス 」 を生んだ神聖な場所です。

「 イシス神殿 」 は、紀元前100年頃のエジプト末期王朝、クレオパトラの父王プトレマイオス12世によって、フィラエ島に完成した、イシス女神に捧げる神殿。 現在の神殿は、 「 アスワンハイダム 」 の建設による水没の危機をさけるため、隣の島に移築されたもの。 アブシンベル神殿と同じ運命を辿った神殿です。 


クルーズ船から車で10分、アスワンダム近くの船着き場から、小船に乗り換えてイシス神殿に向かいます。



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船着き場には、何百隻もの観光船が停泊しているのですが。 
他の観光客は見当たらず、ほぼ開店休業状態。。。。

機関銃を構えた警官も私たちのボートに同乗。
クルーズ船には護衛の警官が常駐しています。



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アスワンダム
1902年、イギリスが造った当時世界最大を誇った巨大なダム



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船の行く先にイシス神殿が見えてきました。



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列柱に囲まれた神殿の前庭



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列柱の装飾から、ギリシア文化の影響が見られます。



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圧倒的なスケールの第一塔門



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ハヤブサの顔をした 「 ホルス神 」 ( エジプト航空のシンボル )
頭上に太陽をのせている 「 イシス神 」
右はエジプト王 「 プトレマイオス1世 」

敵の大軍を破り、王位を授かる場面です。



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参道には傾斜があり、本殿に進むにつれ少しずつ高くなっています。
本殿が、参拝者の目線の高さになるように計算されているそうです。

外の明るさとコントラストを持たせ、明度も徐々に下がっていきます。
これは本殿の神秘性を高める効果を意図したものだそうです。



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神殿内部には多くのレリーフが、状態よく保存されています。

現在は色が落ち花崗岩一色の神殿ですが、当時は神殿全体に華やかな彩色が施されていたそう。


「 子供のホルス神に、授乳するイシス神 」



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古代エジプトの象形文字、ヒエログリフの特徴も教わります。
カルトゥーシュという枠で囲まれているのは、エジプト王ファラオの名前。



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一通りの説明が終わると、あとは自由行動。
遺跡内を、勝手気まま、思う存分散策します。



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イシス神殿から眺める、アスワンダム



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イシス神殿の次は、アスワンハイダムまで車で見物にいきます。

既存のアスワンダムだけではナイルの氾濫を治めることができず、さらなる大型ダムが必要となり、10年の歳月をかけ1970年に完成した巨大なロックフィルダム。 エジプト革命、第二次中東戦争により、イギリスからの資金が途切れたなか、旧ソ連の援助で建設されたダムです。 なので、エジプト人はロシアに対して親近感を持っているそう ( 反対にアメリカは、やはりアラブの敵とみなされているよう )


ダムが巨大すぎて写真に納まりません (汗)



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琵琶湖の8倍ともいわれる巨大な人造湖「ナセル湖」の出現により、アスワン地域の気候さえ変わってしまうほど自然体系に変化をが起こったそうです。 ( アスワンは歴代世界で最も降水量の少ない町であったのに、ダムの完成により雲が発生し雨が降るようになったそう )

飛行機の窓からみたナイル、ホテルや船のキャビンから実際に目にするナイル。 その深い水色の美しさに、さすが 「 青ナイル 」 と呼ばれるだけのことはあると、無責任に感動していたのですが、この青さは本来のナイル川の色ではないそうです。

ダム完成前の本来のナイルの色は、チャオプラヤー川やメコン川と同様、肥沃な土壌を溶かした茶色い川だったとのこと。

ダムの完成で肥沃な土壌がダム底に沈殿するようになり、川の色も次第に澄んで青色に変化したそう。
肥沃な土が運ばれなくなった川下では、洪水はなくなった替わりに農地がやせ、塩害が発生し、エジプト農業には大きな被害をもたらしているそうです。

さらにプランクトンの減少により、地中海の豊かな漁場の水産資源にも悪影響を及ぼしているとのこと。

ナセル湖では貯水量の3分の1が熱風で蒸発してしまうため、灌漑用にと予定していた貯水量に到達するまでは200年かかるとも言われているそうです。



午前中の観光を終えて、船に戻ります。



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乗船してほどなく、クルーズ船は出航します。

アスワンの岸を離れ、ナイルを下り、エドフの町を目指します。




つづく


by nonaetamu | 2016-12-17 20:50 | エジプト | Comments(0)