エジプト旅行記 2016年 イスラエル エルサレム 「 嘆きの壁 」 「 岩のドーム 」 



エルサレムでの滞在2日目、昨日は予定していた市内観光をさぼってしまったので、今日こそは絶対に市内観光にでかけます。
今日もプールサイドでだらだらしていたいのが本音なのですが・・・・ それではさすがに人間失格 (笑)


いざ出陣~ ! の前にまずは朝ご飯でしょ。

今日のみことば 「 腹が減ってはいくさができず 」 @ エルサレム  

炎天下の市内観光、体力補給は不可欠です。



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優雅な朝食用の食堂には溢れかえるばかりの料理の数々・・・・ 
ご馳走を目の前にしてすっかり興奮してしまい、すでに観光への意欲が半減 (汗)

日差しの明るい窓際のテーブルを確保しました。



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窓の外では気持ちの良さそうなガーデンプールが、観光なんてやめてこっちに 「 おいで おいで 」 と手招きしています (笑)



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あまりの料理の多さに目移りして、何からいただいたらいいのやら・・・・ (困惑)



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チーズだけでも驚くほどのラインアップ
嬉しすぎてテンション振り切れそうです (笑)



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これでもチーズのほんの一部。



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パンやケーキ類も大充実 !



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フレッシュジュースのコーナー



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まずは1皿目



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ビュッフェ台にはハム、ソーセージ、ベーコン等の肉類がありません。 
ユダヤ教の食に関する戒律 「 コーシャ 」 で、乳製品と肉類を同時に食べることが禁止されているからです。
( なのでチーズバーガーも駄目、その他、甲殻類、イカ、タコ、鱗のある魚、等々も禁止 )

その代わりに燻製やしめた魚がたくさんあります。 イワシ、サバ、ニシンにサーモン・・・・
お酢のしめ具合も絶妙で、脂がほどよくのったお魚がとても美味しい !

日本人にとって朝からお魚がいただけるのは嬉しいですね。


続いて2皿目

チーズにしようかケーキにしようか真剣に悩んだあげく、今日はケーキを選択。
明日から旅行するエジプトでは美味しいケーキを期待できないかもしれないので・・・・

チーズケーキ、クグロフ、シュトルーデル、アーモンドケーキの4種盛り (笑)
プルーンのコンポートとフレッシュクリームを添えて



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やっぱりイスラエルのケーキはレベルが高くて美味しい !

「 ダビデ王ホテル 」 の朝食、エルサレムでも有名なだけあって、郷土色豊かな素晴らしい内容でした。 
今回イスラエルでいただいたなかで一番満足度が高い食事だったかも・・・・ (笑)


さてお腹もいっぱいになったところで、このまま観光に出発です。





10:30 ホテル出発

ホテルから旧市街に向かって坂道を下りていくと、遠くから子供たちの悲鳴のような歓声のような、黄色い叫び声が聞こえてきます。
もしかして通学バスを狙ったテロでも?!



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ホテルの下にある公園の噴水で、大勢の小・中・高校生たちが無邪気に水遊びをしていました。



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四角い噴水にびっしり捕まって、まるでゴキブリホイホイ (笑)



旧市街はホテルから歩いて10分ほど、西側にあるヤッフォ門から中に入りました。



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旧市街の内部は、アラブのスークのように、細い路地が縦横無尽に入り組んでいます。 路地の中は視界が開けず案内板もほとんどないので、地図を見ながら歩いていても方向感覚がなくなって迷子になってしまいます。

11:15 あちらこちら彷徨ったあげく、ようやく第一目的地の 「 嘆きの壁 」 に到着しました。



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「 嘆きの壁 」


預言者アブラハム ( ムスリム名 イブラーヒーム ) は、ユダヤ教とイスラム教の両教にとっての 「 信仰の父 」 であり、ユダヤ人とアラブ人の祖でもあります。 つまりユダヤ人とアラブ人はアブラハムの2人の息子それぞれの子孫であり、元をたどるとお爺ちゃん ( アブラハム ) が同一人物という従兄弟関係。 ユダヤ教のスピンオフであるキリスト教の信者も、もちろんアブラハムの子孫です。

旧約聖書の 「 創成記 」 よると、唯一神 「 エホバ 」 は、アブラハムの自分に対する忠誠心を試してみようと思って、神への生贄としてアブラハムの息子イサクを自らの手で殺すよう、人間とは思えない非道な命令を下します ( だって神様だから 笑 因みにイサクはアブラハム100歳のときに授かった恥かきっ子 )  アブラハムは神の無情な命令に従うべきかどうか悩みますが、最後にはエホバのパワハラに負けて息子イサクを殺す決心をします。 この凶悪な実子殺人未遂事件の現場となったのが 「 モリヤ山 」 にある岩の上、現在の岩のドームがある場所なんです。 ユダヤ教では、イサクの処刑台として使用されかけたこの岩を 「 聖なる岩 」 と呼び「 世界の礎 」 として信仰しています。

その後、ホテル名やミケランジェロの彫刻で有名な、古代イスラエル王国のダビデ王がこの神聖な土地を一括購入、そしてダビデ王の息子 テレ東の番組で有名な賢者ソロモン王が父親の買ったその神聖な土地にエルサレム神殿を建築しました ( 紀元前948 )

しかしソロモン王の建てた第一エルサレム神殿はバビロニアによって破壊され、その際に多くのユダヤ人たちが捕虜としてバビロニアに拉致されます ( 紀元前586 ) 拉致から70年後、ペルシャ王の手によりバビロン捕囚から解放されたユダヤ人たちは エルサレムに帰還し、破壊された第一神殿の跡地に第二神殿を建築します (紀元前515) その後紀元前20年に、 第二神殿はヘロデ大王によって大規模リノベーションが行われました。 因みにこのヘロデ大王は、シーザー & クレオパトラ & イエスキリストとほぼ同じジェネレーション、人類史上最強に濃い世代 (笑)

100年ほど経った西暦70年の第二次ユダヤ戦争時に、第二エルサレム神殿はローマ帝国によって再び破壊されてしまいます。 しかし破壊された神殿の西の壁だけは、奇跡的に崩壊を免れます。 この唯一生き延びた神殿の西壁は、ユダヤ教徒のあいだで 「 神が臨在する栄光の場所 」 として語り継がれることになります。 いっぽう第二次ユダヤ戦争後、ローマ帝国はユダヤ教を根絶しようとこころみ、ユダヤ暦を禁止し、聖典を埋め、指導者たちを大量殺害しました。 さらにユダヤという地名をパレスチナへと変更し、ユダヤ教徒のエルサレムへの立ち入りさえも禁止してしまいます。  

ユダヤ教徒にとって苦難の年月が過ぎ、4世紀になってようやくエルサレムへの立ち入り禁止令が解かれ、1年に1度だけエルサレムへ帰省することが許可されるようになります。 それ以降 嘆きの壁はユダヤ教徒が祖国復興を祈る大切な巡礼地となります。

時が流れ中世時代の或る日、ユダヤ暦の大切なアニバーサリー 「 エルサレム神殿破壊記念日 」 に、通りすがりの信者が奇跡の光景を目撃します。 なんと神殿の西壁が 「 嘆きの涙 」 を流していたというのです。 その信者のミラクル目撃証言により、それ以降神殿の西壁は「 嘆きの壁 」 と呼ばれるようになったそうです ( 実際は壁についた朝露が涙のように輝いて見えたそうな )



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嘆きの壁では、信者の皆さんがたんたんと感情も表すことなく静かにお祈りを捧げています。

「 嘆きの壁 」 というドラマティックなネーミングから勝手に想像していた光景とはちょっと違うような・・・・
実際に目にする信者の方の 「 嘆き 」 の熱量は期待よりもかなり控えめ。
もっと、壁どんどんをしたり、大声で泣き悲しんでいる人がいるのかと予想してたのに ( 韓流ドラマの見すぎ? ばち当たり ! )

中世の時代、1年に1度だけしか訪問が許されていなかった頃や、第二次世界大戦後の緊張時、嘆きの壁への立ち入りが禁止されていた頃と異なり、今では365日24時間いつでも訪問が可能になったおかげで、ありがたみが薄れてしまったのでしょうか ? 

強引とはいえ取り合えず念願の祖国もできちゃったことだし・・・・




11:45 第二の目的地 「 岩のドーム 」 に向かいます。 

岩のドームは嘆きの壁の向こう側、広場の右上に架かる木製のブリッジを渡るとすぐそこ。
イスラム教徒以外の人が岩のドームのある旧神殿の丘に入るには、このブリッジが唯一許されたアプローチです。



「 岩のドーム 」

「 岩のドーム 」 は、ユダヤ教徒にとって 「 聖なる岩 」 のある大切な聖地であると同時に、イスラム教徒にとっても 「 メッカのカアバ 」 「 メディナの預言者のモスク 」 に次ぐ三番目に重要な聖地でもあります。 

イスラム教の開祖 預言者ムハマッドが体験した 「 夜の旅 」 ( イスラー )、メッカからエルサレムまでわずか一夜で移動して、エルサレムの地で天使ガブリエルに導かれ天国へと昇り神に出会った奇跡の異次元トリップ。 その昇天したムハマッドが、天へと飛びたった発射地点がこの 「 聖なる岩 」 であると信じられているからです。 聖なる岩にはムハマッドの足形と天使ガブリエルの手形が残されているそうです。

現在の岩のドームは、西暦688年から3年の歳月をかけて、聖なる岩の上に建築されました。 ユダヤ教徒の言い分によると、ウマイア朝 ( イスラム国家 ) は、ユダヤ教徒とキリスト教徒へのあてつけと嫌がらせのため、意図的にユダヤ教の聖地である聖なる岩をドームの建設場所に選んだそうです。 さらにドームの大きさもキリスト教の聖地である聖墳墓協会のドームよりも大きく造ったとのこと。 またモスクの内部にあるキリスト教の悪口を書いたコーランの一節は、シリアのキリスト教者を強制的に連行してタイルを張らせた奴隷労働によるものだそうです。

岩のドームは岩盤の上に建てられているため、過去数度の地震にも崩壊することもなく、現在でも当時のままのオリジナルの建築が保たれているとのこと。 外壁のタイルはオスマン帝国時代の1554年と1963年に張り替えられ、ドームの金箔は1993年に貼られたものだそうです。

「 岩のドーム 」 は地上において最も神 (天国) に近い神聖な場所、神との交信が可能な世界最強のパワースポットでもあります。




ブリッジ入口の入場券売り場で、岩のドームの閉門は12時なのであと15分しか時間がないと告げられます。
しかし岩のドームは、ラマダンの期間、午前中しか異教徒に開放されていません。 これが最後のチャンスなので、15分だけでもいいので観光することにしました。



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実際に入場してみると、機関銃を持ったアラブ人の兵士が、もう閉場時間だと言って 「 岩のドーム 」 に近寄らせてくれません。
売り場ではあと15分って言ったのに・・・・ ずるい (怒)



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岩のドームの向かいにあるモスクには、イスラム教の信者たちが集まってきています。
昼の礼拝があるのでしょうか。



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神殿出口側、側面から見た岩のドームです。



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写真を撮っていると、私たちの後をストーカーのようにつきまとっている先ほどのアラブ人兵士が 「 今すぐ出ていけっ ! 」 って怒鳴っています。

意地悪で本当に感じが悪い・・・・  ラマダン中でよっぽどお腹が空いているのかしらん ?
目の前で焼き立てのケバブと冷えたビールを食べ散らかしてやればよかった (大人げなさすぎ 笑)



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12:00 岩のドームを強制退場。 

楽しみにしていた霊体験も、キューピットの降臨も、啓示や覚醒もないままに・・・・

それでは観光の最終目的地 イエスキリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘へと歩いた 「 苦難の道 」 ( ヴィア・ドロローザ ) に向かいます。



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つづく


Commented by スモークモッツァレラ at 2016-10-31 13:14 x
姐さん
意外です、観光もされるんですね(笑)

本当に「食べて、寝るだけ」かと(爆)
エルサレムまで行って観光もせず帰ることのできる方は姐さんくらいだと思ってたので、ちょっと期待しちゃいました!
Commented by nonaetamu at 2016-10-31 15:39

がんばっちゃいました・・・・ 年がいもなく (笑)
さすがにエルサレムまで出かけて観光をしないのは、
「 クリープを入れない珈琲のようなもの 」 なので (笑)

このあとエジプトでは、これまでの人生の観光の総量をうわまわるような、スパルタ式観光が待ち受けているんです。

でももちろん旅行の目的の重点はホテルと食事にあるのですが・・・・(汗)

まずはホテルありき ! キングデイビッドが取れなかったから、エルサレム行きを中止しようと思ってたんです。 最終的に予約が入ったのでよかったのですが。

旅行会社の方はホテルおたくの気持ちが理解できないようで、「 他のホテルでは旅行に行く意味がないんですっ 」って代替ホテルの提案を断ったらとてもびっくりなさってました (笑)

差し出しのお名前から察すると、今はイタリアでいらっしゃいますか?

ご旅程には中央イタリアは含まれていらっしゃらなかったと記憶していますが、どうぞくれぐれも大切になさってください。

ボルディエ系のバターがお好きでしたら、ブラータもお好みなのでは?
Commented by プラータ? at 2016-11-01 08:39 x
確かにエジプトは見所満載ですよね。それでもメナハウスが気になります!
ちょっと驚いたのは、この旅程で旅行会社に依頼してたのですか?こういう個人旅行はかなり高くつきそう!(笑)しかも、
旅行会社の担当より詳しいから、やり辛そうだし(爆)

プラータとはモッツァレラよりフレッシュなチーズ?知りませんでした。もしかしたら、どこかて見かけたかも!さすが姐さん、本当に何でも知っていて頭が下がります!

おっしゃる通り、震源地近くは旅程に含まれていません。
リッツはかなり探検してきましたよ!多分どこのメディアやホテルジャーナリストより詳しいかも(笑)まぁそんな話し誰も興味なさそうですが。

Commented by nonaetamu at 2016-11-01 15:58

エルサレムのホテル代が高かったので、現地の代理店ならいいレートを持っていないかと思って、ホテル代だけ問い合わせしたんです。 都市によっては旅行代理店の方がネットより安い場合がありますでしょ
( せこい関西のおばちゃんなもので 笑 )

新生リッツ情報、興味をお持ちになってらっしゃる方はたくさんいらっしゃると思いますよ ! 
私も是非レクチャーを受けたい。

リッツ博士 ! もちろん沢口靖子さんとツーショット・・・・ 羨ましいです (笑)
by nonaetamu | 2016-11-01 22:19 | イスラエル | Comments(4)